今週の卓話要約


「温泉地の再生」
加賀市長 大幸 甚 氏

小林 清彦氏 山代温泉は、その古い歴史の中で、「総湯」と呼ばれる共同浴場を囲み旅館が建ち並ぶ「湯の曲輪(ゆのがわ)」という町並みが形成され、明治から昭和初期にかけて湯治客や周辺住民がたくさん集い大変な賑わいを見せ、北大路魯山人、与謝野鉄幹・晶子など多くの文人墨客が訪れるなど、独自の文化を育んできた。温泉博士として知られる札幌国際大学の松田忠徳教授も、「日本の温泉文化を最も正しく伝えている温泉である。」と評価している。しかるに、現在の山代温泉は、多くの旅館が「湯の曲輪」から離れ、大型化した旅館が郊外に建ち並び、温泉街は年々廃れている。旅館自体の満足度は高いものの温泉街の満足度は低く、人気温泉地に見られるような多くの観光客がそぞろ歩く状況ではない。したがって、老朽化した現在の市民向け総湯(昭和46 年築)を建替えて8月にオープン、建物には老舗旅館「旧吉野屋」に残されていた門を活用したり、温泉の余熱や廃熱を有効活用してCO2 排出の削減に努める。また、明治時代の総湯を復元整備し、古総湯として22年度にオープンすることとした。この復元湯は「九谷焼のタイルを使った全国初の温泉共同浴場」であり、最も温泉情緒が感じられる建物だからである。また、外観だけでなく、山代温泉独自の入浴方法や心得などにより昔日の雰囲気が楽しめる体験型温泉博物館として、将来は国宝級の財産としていく考えである。



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